おやじの一言


■ 第一回 「煮る」


○煮物について・・・「煮る」って何?

湿式加熱の方法。水の対流により食品を加熱する調理操作のこと。水だけの加熱を「ゆでる」といい、煮汁中に調味料を入れて加熱することを「煮る」という。

  1. 加熱温度は常圧で100℃以下。
  2. 材料に味をつけて加熱することが出来る、また加熱中に調味して適度な味をつけることが出来る。
  3. 食品の形が崩れやすい。
  4. 味や栄養成分の損失が起こりやすい。
  5. 食品によっては多量の水分が供給され軟化される。
  6. 材料、熱源の範囲が広い。
  7. 温度管理が容易である。
煮物
関西:汁気が多く淡白な味付けが多い。
関東:汁気が少なく濃厚な味付けが多い。

煮物は材料の持ち味のうえに調味料を生かして調味しなければダメ!

  1. 香りのある材料は、香りを失わない様に。
  2. うま味のある材料は、うま味を失わないように。


○煮物のポイント

材料の持ち味や色、鮮度にあった煮方が必要。

煮物には煮汁の多いもの、少ないもの、材料を素焼きにしたり、油で揚げたり、炒めてから煮るもの、葛を用いるもの等がある。

加熱むらをなくし、煮崩れを防ぐために材料の大きさ、形を揃える。

小さな鍋に何段にも重ねて入れてはいけない。火の通る程度の煮汁を入れて、材料が踊らないように火力調整(節)し、必要であれば落し蓋をする。

※落し蓋(=紙蓋)

煮物の際、煮汁を沸騰させると材料が踊るので煮崩れしやすい。(そこで落し蓋の登場)落し蓋をして弱火でじっくりと煮ると煮崩れがない。材料が早く柔らかくなる利点があります。また、高野豆腐を煮るときにも便利です。


○煮物の種類

うま煮

 煮物の代表的なもの。魚や野菜などを煮出し汁、醤油、砂糖、みりんなどで照りよく甘辛く煮たもの。

出し汁 みりん 醤油
魚の煮付 昆布出しのみ、及び砂糖
野菜の煮物 混合出し、及び砂糖

白煮

材料の白さを生かして煮上げたもの。”しろに”、”はくに"とも言う。海老芋、レンコン、ユリ根、ウド、イカ、シラウオ等。※醤油を使う場合「」又は白醤油を少量使う。

含め煮(煮含め、含ませ煮、含ませ)

多量の薄味の煮汁で材料に味をしみ込ませる様に時間をかけて弱火で煮たもの。また栗や豆類を濃厚な砂糖蜜で煮たもの。

吉野煮(葛煮)

くず又は片栗粉を用いた煮物。材料に葛をつけたり、煮汁に葛でとろ味をつけたもの。

炒め煮

油で炒めて煮たもの。キンピラごぼう、煎どり(筑前煮)汁気がなくなるまで煮るのでお弁当のおかずに最適です。

※おかず(御数)

飯の菜、副食物のことで、何種類か副食物の数を取り合わせることから「おかず」と言う。

土佐煮

土佐醤油で煮たり、かつお節をたっぷり入れて一緒に煮る。また、仕上げに煮汁を切り粉節をまぶしつけたもの。
旬の土佐煮:ごぼうの土佐煮、フキ、こんにゃく etc 淡白な材料に適します。

味噌煮

味噌を水かだしで溶き、砂糖、酒 etc で調味し、材料をこってりと煮たもの。
※味噌は生臭みを抑えるため、魚を煮るときによい(生姜をたくさん入れて煮る)(魚はすて湯し、霜降りにしてから・・・)
魚類:サバ、イワシ、アジ etc 背が青く脂肪の多い魚に良い。
貝類:ハマグリ、カキ etc

甘露煮

あめ煮ともいう。醤油、みりん、砂糖、水あめなどで照りよく煮たもの。また、クリ、ユズなど砂糖と水で甘く煮たもの、アユ、フナ、ハゼ、コイ etc 主に淡水魚に多い。

炊き合わせ(煮合わせ)

二種類以上の煮物を器に盛り合わせた料理。材料の持ち味を生かすために別々の鍋で煮るのが原則。

治部煮

石川県金沢市の代表的な郷土料理で汁気の多い煮物。小麦粉、くず粉 etc も使い、そば粉をかも肉にまぶし、出し、醤油、砂糖、酒 etc で濃いめに調味した煮汁でさっと煮る。

由来 じぶじぶと煮えるから・・・とか?
人名からの説、兵糧奉公の岡崎治部右衛門・・・とか?
長野県渋温泉の郷土料理から・・・とか?

あら煮

魚の頭、身のついた中落ち、かま etc 濃厚な煮汁でこってり煮たもので照りよく煮上げる。タイやブリなど大きめで旨味があり、脂肪がよくあるものが良い。鯛蕪、鰤大根 etc

醤油 みりん 砂糖
あら煮 大4〜5 1/2カップ 1/2カップ 大3〜4 1カップ
↑順序

時雨煮(生姜煮)

魚介類をつくだ煮風に醤油の色をきかせて煮しめた煮物。必ず生姜を使うので、生姜煮ともいう。アサリ、アカガイ、カツオ、マグロ etc

駿河煮(するが煮)

白焼きした鯛やタコを酢を加えた出し汁で煮る。

船場煮

塩サバ、ダイコン etc のアラをすて湯して煮る。無駄のないという意味が含まれる。

俵煮(たわら煮)

二つに切って開いた油揚げを油抜きし下味のつけたミンチ、椎茸等を入れ、かんぴょうで口を閉じ、薄味で含め煮にしたもの。

艶煮(つや煮)

煮上がったとき、材料に光沢が出る様に煮たもの。砂糖やミリン、水あめ、またはバター etc の油脂類を用いて煮汁がなくなるまでこってりと煮る。

照煮(てり煮)

主にみりんを用い、煮つめて照りを出す、または煮上がりに水溶きクズ粉を加え照りをつけることもある。

東坡煮(とうば煮)

東坡肉(トンポウロウ)の様に大きな材料を柔らかく煮た料理。

▽ バックナンバー
最近の一言に戻る

△ページのトップへ
copyright © 2004 北村光弘 All right reserved.